この書について マルコの福音書の紹介

マルコの福音書は、力強く行動するイエスを描く福音書です。短く速い展開の中で、神の子としての権威と、苦しみの道を進む姿が示されます。弟子たちの理解の遅さを通して、十字架の意味が浮かび上がります。

主なテーマ
  • 神の子
  • 権威
  • 十字架の道

読むときの手がかり 出来事が次々に進むので、転換点となる告白と受難予告に注目すると流れがつかめます。力と苦しみがどう結びつくかが重要です。

キリストとのつながり 力ある方が苦しみを通って救いを成し遂げることが、この書の中心です。キリストの十字架と復活が福音の核心として示されます。

1 かみイエス・キリストの福音ふくいんのはじめ。
4 バプテスマのヨハネが荒野あらのあらわれて、つみのゆるしをさせる悔改くいあらためのバプテスマをつたえていた。
5 そこで、ユダヤ全土ぜんどとエルサレムのぜん住民じゅうみんとが、かれのもとにぞくぞくとって、自分じぶんつみ告白こくはくし、ヨルダンがわでヨハネからバプテスマをけた。
6 このヨハネは、らくだのごろもをにまとい、こしかわおびをしめ、いなごとみつとを食物しょくもつとしていた。
7 かれつたえてった、「わたしよりもちからのあるかたが、あとからおいでになる。わたしはかがんで、そのくつのひもをうちもない。
8 わたしはみずでバプテスマをさづけたが、このかたは、聖霊せいれいによってバプテスマをおさづけになるであろう」。
9 そのころ、イエスはガリラヤのナザレからてきて、ヨルダンがわで、ヨハネからバプテスマをおけになった。
10 そして、みずなかからがられるとすぐ、てんけて、聖霊せいれいがはとのように自分じぶんくだってるのを、ごらんになった。
11 するとてんからこえがあった、「あなたはわたしのあいする、わたしのこころにかなうものである」。
12 それからすぐに、御霊みたまがイエスを荒野あらのいやった。
13 イエスは四十にちのあいだ荒野あらのにいて、サタンのこころみにあわれた。そしてけものもそこにいたが、御使みつかいたちはイエスにつかえていた。
14 ヨハネがとらえられたのち、イエスはガリラヤにき、かみ福音ふくいんつたえてわれた、
15 ときちた、かみくにちかづいた。あらためて福音ふくいんしんぜよ」。
16 さて、イエスはガリラヤのうみべをあるいてかれ、シモンとシモンの兄弟きょうだいアンデレとが、うみあみっているのをごらんになった。かれらは漁師りょうしであった。
17 イエスはかれらにわれた、「わたしについてきなさい。あなたがたを、人間にんげんをとる漁師りょうしにしてあげよう」。
18 すると、かれらはすぐにあみてて、イエスにしたがった。
19 またすこすすんでかれると、ゼベダイのヤコブとその兄弟きょうだいヨハネとが、ふねなかあみつくろっているのをごらんになった。
20 そこで、すぐかれらをおまねきになると、ちちゼベダイを雇人やといにんたちと一緒いっしょふねにおいて、イエスのあとについてった。
21 それから、かれらはカペナウムにった。そして安息日あんそくにちにすぐ、イエスは会堂かいどうにはいっておしえられた。
22 人々ひとびとは、そのおしえおどろいた。律法りっぽう学者がくしゃたちのようにではなく、権威けんいあるもののように、おしえられたからである。
23 ちょうどそのとき、けがれたれいにつかれたもの会堂かいどうにいて、さけんでった、
24 「ナザレのイエスよ、あなたはわたしたちとなんのかかわりがあるのです。わたしたちをほろぼしにこられたのですか。あなたがどなたであるか、わかっています。かみ聖者せいじゃです」。
25 イエスはこれをしかって、「だまれ、このひとからけ」とわれた。
26 すると、けがれたれいかれをひきつけさせ、大声おおごえをあげて、そのひとからった。
27 人々ひとびとはみなおどろきのあまり、たがいろんじてった、「これは、いったい何事なにごとか。権威けんいあるあたらしいおしえだ。けがれたれいにさえめいじられると、かれらはしたがうのだ」。
28 こうしてイエスのうわさは、たちまちガリラヤのぜん地方ちほう、いたるところにひろまった。
29 それから会堂かいどうるとすぐ、ヤコブとヨハネとをれて、シモンとアンデレとのいえにはいってかれた。
30 ところが、シモンのしゅうとめが熱病ねつびょうとこについていたので、人々ひとびとはさっそく、そのことをイエスにらせた。
31 イエスは近寄ちかより、そのをとっておこされると、ねつき、おんなかれらをもてなした。
32 夕暮ゆうぐれになりしずむと、人々ひとびと病人びょうにん悪霊あくれいにつかれたものをみな、イエスのところにれてきた。
33 こうして、町中まちじゅうもの戸口とぐちあつまった。
34 イエスは、さまざまのやまいをわずらっているおおくの人々ひとびとをいやし、またおおくの悪霊あくれいされた。また、悪霊あくれいどもに、物言ものいうことをおゆるしにならなかった。かれらがイエスをっていたからである。
35 あさはやく、よるけるよほどまえに、イエスはきてさびしいところき、そこでいのっておられた。
36 すると、シモンとその仲間なかまとが、あとをってきた。
37 そしてイエスをつけて、「みんなが、あなたをさがしています」とった。
38 イエスはかれらにわれた、「ほかの、附近ふきん町々まちまちにみんなでって、そこでもおしえつたえよう。わたしはこのためにてきたのだから」。
39 そして、ガリラヤぜんめぐりあるいて、しょ会堂かいどうおしえつたえ、また悪霊あくれいされた。
40 ひとりのらい病人びょうにんが、イエスのところにねがいにきて、ひざまずいてった、「みこころでしたら、きよめていただけるのですが」。
41 イエスはふかくあわれみ、ばしてかれにさわり、「そうしてあげよう、きよくなれ」とわれた。
42 すると、らいびょうただちにって、そのひとはきよくなった。
43 イエスはかれをきびしくいましめて、すぐにそこをらせ、こうかせられた、
44 なにひとはなさないように、注意ちゅういしなさい。ただって、自分じぶんのからだを祭司さいしせ、それから、モーセがめいじたものをあなたのきよめのためにささげて、人々ひとびと証明しょうめいしなさい」。
45 しかし、かれって、自分じぶんおこったことをさかんにかたり、またいひろめはじめたので、イエスはもはや表立おもてだってはまちに、はいることができなくなり、そとさびしいところにとどまっておられた。しかし、人々ひとびと方々ほうぼうから、イエスのところにぞくぞくとあつまってきた。